「今の職場を辞めたいな」「時間外業務が多すぎる」「仕事もプライベートも充実させたい」という思いから、転職を考える看護師は多いですよね。しかし同時に、「人間関係が不安」「新しい職場になじむことができるのか不安」といった悩みも出てきます。そんな悩みを解決する働き方の1つとして「応援ナース」というものがあります。今回は応援ナースについて紹介していきます。
応援ナースとは
応援ナースとは、全国の看護師不足の施設や病院に赴任し、原則6か月の雇用期間で働きます。契約期間終了後は、勤務先の同意があれば継続して勤務することも可能です。トラベルナース、お助けナースとも呼ばれます。
日本ではあまり浸透していませんが、アメリカでは25年以上の実績がある働き方です。
- 北海道
- 沖縄
- 離島
- 都市圏
などで募集をしていることが多いです。
派遣ナースとの違い
派遣ナースとは、派遣会社と雇用契約を結び、特定の医療機関に派遣される看護師のことです。給与の支給や社会保険、休暇の管理も派遣会社が行います。一方で、応援ナースは病院と直接雇用契約を結びます。契約社員やパートといった、非正規の契約となることが一般的です。
私が勤めていた病院では、「契約社員」と表記されていました。社会保障や所得税は給与から引かれましたが、住民税は直接納めていました。
応援ナースの実際
応援ナースの一番の魅力は、高給与であることです。給与の目安はこのようになっています。
都市圏 45~50万
北海道 45~50万
沖縄 30~35万
離島 33~40万
上記は夜勤手当を含めた給与になっています。給与が高い分、賞与はありません。応援ナースは社会保障も完備であることが多いです。住民税については、普通徴収・特別徴収があるため事前に確認しましょう。
人手不足の病院の求人が多く、業務が繁忙な現実があります。また、即戦力として業務を任されるため、目安として臨床経験は3年程度あったほうがいいです、中途採用とは異なり、オリエンテーションは省略されることが多いため、働きながら周囲のスタッフに聞きながら業務を覚える必要があります。
勤務形態については、原則すべての勤務時間、業務に入ることとなります。夜勤は必須になると思ったほうが良いです。6か月の雇用期間であるため、基本的に有給はありません。残業の有無については、勤務先の病院によって異なるため求人票や雇用契約書を確認する必要があります。委員会活動や研修など、看護と直接関係のない業務には参加しなくて良いため、看護業務に集中できます。
有給については労働基準法に定められており、「6か月以上継続して労働日の8割以上の日数を勤務した場合」に付与されます。私は応援ナースとして6か月勤務した後、6か月契約を延長したため有給が10日つきました。
メリット・デメリット
応援ナースのメリットとデメリットをまとめると下記のとおりです。
メリット
・短期間でお金を稼ぐことができる
・自分が好きな勤務地で働くことができる
・原則、委員会活動・研修の参加がなく、看護業務に集中できる
・スキルアップ、経験を積むことができる
・赴任費用が病院から支給される
・6か月の期限付き
・プライベートも充実
デメリット
・新しい環境に短期間で馴染まなければならない
・人手不足の求人先が多い
・即戦力として期待される
・給与は高いが、賞与の支給がない
・有給がつかない
・キャリアアップは望めない
応援ナースの心構え
メリット・デメリット、私の経験を踏まえ、応援ナースの心構えをまとめました。
1 周りと積極的にコミュニケーションをとる
2 わからないことは積極的に聞く
3 病院・病棟のルールには柔軟に対応する(長いものには巻かれたほうがいい)
感染対策や服薬管理、物品の場所など、これまでの職場と異なることがたくさんあります。周囲に聞きながら覚えていく必要があり、日々のコミュニケーションは重要です。わからないことをわからないと伝えることは、教えてもらうきっかけになるので、怖がらずに何度でも聞きましょう。
個人病院には、独自のルールがあります。「効率が悪いな」と思うことがあっても、ルールに順応することをおすすめします。お局だけでなく、医師や薬剤師、介護士とのコミュニケーションなど課題はたくさんありますが、6か月の期限付き雇用だと割り切ると心も軽くなりますよ。
おすすめの転職サイト
応援ナースは新しい働き方をして人気が出てきています。しかし、特殊な勤務形態であるため経験や働き方に不安がある方も多いと思います。ここでは、応援ナースの求人を扱っている、おすすめのサイトを4つ紹介します。
1 ナースパワー
2 MCナースネット
3 マイナビ看護師
4 ナース専科転職
ナースパワー
まずご紹介するのはナースパワーです。
応援ナースの求人を900件以上(2025年2月現在)扱っており、都市圏応援ナースの求人も豊富です。沖縄や離島で地域医療に携わりながら、ゆったりと仕事がしたい人にも、交通の利便性が高く赴任後も生活しやすい都市圏を希望する人にも、おすすめの看護師転職エージェントです。
採用実績も高く、求人先との信頼関係が良好です。応援ナース説明会も開催しているため、一度参加してみてはいかがでしょうか。
MCナースネット
続いてご紹介するのは、MCナースネットです。
応援ナースの求人を、250件以上(2025年2月現在)扱っています。基本的に対面登録になりますが、求人について直接相談ができるという安心感があります。また、非常勤・パート・派遣・単発派遣の求人も取り扱っており、手厚いサポートと幅広い求人が魅力です。初めての応援ナースで、直接相談したいという方におすすめです。
マイナビ看護師
次にご紹介するのはマイナビ看護師です。
マイナビ看護師ではトラベルナースと呼ばれており、900件以上(2025年2月現在)の求人を扱っています。大手人材サービスの信頼・安心感があり、非公開求人は質も高いことで知られています。大手人材サービスのサポートのもと、応援ナースを探したいという方におすすめです。

ナース専科転職
最後にご紹介するのはナース専科転職です。
ナース専科転職ではお助けナースと呼ばれています。求人数はまだ少ないですが、日勤のみのお助けナースの求人もあります。ナース専科転職は地域担当制をとっているため、地域とその病院に詳しい担当者と二人三脚で転職活動を行うことができます。一つずつ不安を解消しながら応援ナースを探したい方におすすめです。

まとめ
今回は応援ナースについて紹介しました。短期間でお金を稼ぎたい、地域医療に関わりたい、など明確な目的がある人にはとてもおすすめです。また、「今の病院を今すぐにでも辞めたいけど、次の職場はじっくり考えたい」という人は、とりあえず6か月の期間限定で応援ナースに挑戦してみてはいかがでしょうか。転職サイトを活用し、自分らしい働き方を見つけてください。
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